カニとエビの秘密

甲殻類の代表である、「カニ」と「エビ」を紹介します。

どうして二つ一緒に紹介するかというか、薬膳の観点から見るとある点が真逆だからなんです。

まじですかー。こんなに似ているのに!って思いました。

 

【カニ】

五性:寒

五味:鹹

帰経:肝・腎

体質:陰虚・陽熱・瘀血

カニ

 

 

 

 

 

【エビ】

五性:温

五味:甘・鹹※

帰経:肝・腎・脾

体質:陽虚・気虚

鹹※ー読みは「かん」。塩辛いという意味です。

エビ

 

 

 

 

 

どこを見て欲しいかというと、五性の部分です。

五性とは食べ物一つ一つが持つ性質を分類したものです。

熱性・温性・平性・涼性・寒性

体を強く温める熱性から体をとても冷やす寒性、どちらでもない平性と5つに分けられています。

 

さてさて、カニは寒性ですごく体を冷やすんですね。で、エビは温性で体を温める作用があります。

同じ甲殻類なのに、冷やす作用と温める作用と逆の作用があるというところがポイントです。

冷え性さんが年末に茹でたカニをお刺身などと一緒に食べていたらとても体が冷えちゃいますよ〜!

 

よく涼性、あるいは寒性の食材を温めて食べると温性に変わるんですかという質問がありますが、これは基本的にNOです。涼性は涼性、寒性は寒性です。ただし、涼性の食べ物を冷たいまま食べるよりは、温めて食べると体への負担が減りますので、温めて食べるのは食べ方としてありです。例えば、果物は冷蔵庫で保存するけれど、食べるときは室温に戻して食べるとか。これだけでも、体への負担は大きく変わります。

 

脱線しましたが、そんなわけで冷え性さんはエビを、暑がりさんはカニをというのがベーシックな分類です。

シンガポールには、チリクラブという代表的なローカルフードがあります。カニ肉をチリ、トマトなどと煮込んで卵で溶いて、揚げた饅頭で食べるものです。

チリクラブ

 

 

 

 

 

寒性のカニと熱性のチリを使ってこれで寒熱のバランス取っているのかなぁなんて思いながら食べています。エビチリは逆に体を温めるメニューですね。

自分自身の体調を見つめ直しながら、食材を選んでみる、食べ方を変えてみる、これが薬膳です。生活の中に取り入れてみてくださいね!